2010年11月30日

『日月潭紅玉紅茶』(製茶その2)

前回のレポートはこちら⇒『日月潭紅玉紅茶』(製茶その1)

【早朝に手摘みした紅玉の茶葉】
『日月潭紅玉紅茶』(製茶その2)



日光を当てて水分を飛ばす『日光萎凋』を行う烏龍茶の製法とは大きく異なり、

摘まれた茶葉はそのまま『冷風萎凋』されます。


どうして『日光萎凋』を行わないかというと、水分を多く含んだ紅玉の茶葉を

日光に晒してしまうと、急速に萎凋が進んでしまうために比較的水分の少ない部分だけが

急激に萎れてしまいムラが出てしまうため。



上の茶葉の写真でも分かりますが、紅玉の茶葉は茎が太く豊かな水分を蓄えています。

茶葉の部分を壊すことなく茎の部分の水分を全体に行き渡らせつつバランスの良く萎凋を

進めていくには、『室内+冷風』という条件が適しているということですね。



【室内で冷風萎凋中の茶葉】
『日月潭紅玉紅茶』(製茶その2)



網の上に茶葉を敷き詰めて、下から風を当てつつ気温や湿度により風の温度も調整しながら

約12時間以上丁寧にじっくりと萎凋を行います。


【約6時間冷風萎凋を行った茶葉】
『日月潭紅玉紅茶』(製茶その2)



『冷風萎凋』を行うこと約6時間でこの状態。

シャキッ汗とみずみずしかった茎の部分も水分が抜けて、随分しんなりとなっていますね♪スマイル

とても気の長い作業ですが、あと半日ほど丁寧に『冷風萎凋』を続けます。


萎凋や烏龍の室内静置においての作業イメージは、乾燥から細胞を守るために茶葉の部分

が茎からの水分を吸い上げつつ乾燥(発酵)していく感じ。



ある研究者によると、乾燥という外部ストレスに対する反応

香りの重要な成分をつくるとのこと。

そのためには、茶葉全体の細胞をなるべく生かしたまま製茶を進めなければならず

ここまで手間隙をかけて満遍なく萎凋する必要がある訳です。

【萎凋後の揉み込み『揉捻』(ろうねん)】
『日月潭紅玉紅茶』(製茶その2)



ここも烏龍の工程とは全く違うところで、萎凋を終えて柔らかくなった茶葉を

直接揉捻機に投入して30分ほど(揉捻としてはかなり長い時間)揉み込み、

茶葉を取り出して塊になった茶葉をほぐす(『解団』(チェータン)を行った後、再び『揉捻』を

繰り返していきます。(『揉捻』⇒『解団』⇒『揉捻』⇒『解団』・・・・)


【『解団』のようす】
『日月潭紅玉紅茶』(製茶その2)



塊になった茶葉は揉み込みが甘くなりがちなので、手作業で丁寧にほぐしていきます。

このように、(『揉捻』⇒『解団』⇒『揉捻』⇒『解団』・・・・)を繰り返す中でだんだんと

茶葉の『青い香り』から⇒『未熟な果実の香り』へと変化していきます。


つまり、茶摘み直後からゆっくりと進んできた発酵が、『揉捻』されて茶葉が傷つく

ことにより急速に進んだということですね。


烏龍の場合は、攪拌して茶葉の細胞膜を傷つけた後に『静置発酵』

させますが、紅茶の場合は徹底的に茶葉を揉み込みながら同時に発酵も

急速に進めていく方法がとられて興味深いところです。


水分含有量が多く、大きな(大葉種)の茶葉を紅茶として満遍なく発酵させ

るには、この方法が適しているのでしょう。

【日月潭紅玉紅茶】
『日月潭紅玉紅茶』(製茶その2)





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Posted by 『宗』 at 19:00│Comments(0)台湾茶
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